「遊びをせんとや生まれけむ」とは、平安時代末期の歌謡集『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』の有名な一節です。この展覧会は美術のテーマとなった「遊び」に着目し、双六やカルタ、舞踊やファッションなど、男女が熱中した楽しみごとの変遷をながめます。とくに近世初期の「遊楽図」における屈指の名品の数々が一堂に集まり、暮らしと「遊び」のかかわりを探るかつてない機会となります。
この展覧会は、とくに「遊楽図」の中で遊ぶ一人一人の表情に迫ります。ある時は無邪気に笑顔を交わし、またある時は物憂げに遊び暮らした先人たちの、遊びの極意や、浮世を生きる術に、思いを馳せるひとときをお届けします。