酒呑童子は、日本で最も名高い鬼です。平安時代、都で貴族の娘や財宝を次々に略奪していた酒呑童子が武将・源頼光とその家来によって退治される物語は、14世紀以前に成立し、やがて絵画や能などの題材になって広く普及しました。なかでも、サントリー美術館が所蔵する重要文化財・狩野元信筆「酒伝童子絵巻」(以下、サントリー本)は、後世に大きな影響を与えた室町時代の古例として有名です。このたびの展示では、解体修理を終えたサントリー本を大公開するとともに、酒呑童子にまつわる二つの《はじまり》をご紹介します。
酒呑童子の住処といえば、物語によって丹波国大江山、あるいは近江国伊吹山として描かれ、サントリー本は伊吹山系最古の絵巻として知られます。以降、このサントリー本が《図様のはじまり》となり、江戸時代を通して何百という模本や類本が作られました。
さらに近年注目されるのは、サントリー本とほぼ同じ内容を含みながらも、酒呑童子の生い立ち、すなわち《鬼のはじまり》を大胆に描き加える絵巻が相次いで発見されていることです。
本展では、これらの《はじまり》に焦点をあて、絵画と演劇(能)の関連にもふれながら、酒呑童子絵巻の知られざる歴史と多様な展開をたどります。現代のマンガやアニメにも息づく、日本人が古来より親しんできた鬼退治の物語をお楽しみください。
*酒呑童子は、酒伝、酒顛、酒典、酒天とも表記されます。本展では、作品名は基本的に題箋の表記を尊重し、物語や鬼の汎称として「酒呑」の語を用いています。
※作品保護のため、会期中展示替を行います
※本展は撮影禁止です
電話番号 | 03-3479-8600 |
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営業時間 | 10:00~18:00(金曜日は10:00~20:00) ※5月3日(土・祝)~5日(月・祝)、6月14日(土)は20時まで開館 ※いずれも入館は閉館の30分前まで |
休業日 | 火曜日 ※4月29日、5月6日、6月10日は18時まで開館 |
入場料 | 一般 当日 ¥1,700 前売 ¥1,500 大学生 当日 ¥1,200 前売 ¥1,000 高校生 当日 ¥1,000 前売 ¥800 ※中学生以下無料 ※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助の方1名様のみ無料 ※前売券販売は4月28日まで |
URL | https://www.suntory.co.jp/sma/ |