品川プリンスホテル「LUXE DINING HAPUNA」で体験する、ニューノーマル時代のホテルブッフェとは

遠方への旅行がなかなか難しい情勢の中で全国的に多大な影響を受けている宿泊業。区内全体で3万室以上の客室数を誇る東京・港区のホテルでも多くの施設が依然厳しい状況にあります。飲食店を抱えるホテルへの影響はさらに大きく、その中でもゲスト自ら料理を取るホテルブッフェは業態変更や高い水準の感染症対策が求められるなど、さまざまな変化に迫られてきた業態のひとつです。そこで今回は港区内のホテル応援企画として、品川プリンスホテルのブッフェレストラン「LUXE DINING HAPUNA」を取材。ニューノーマルに適したホテルブッフェの「今」をお伝えしたいと思います。

安全・安心とブッフェの満足感を両方届ける

客室数で全国一の規模を誇る「品川プリンスホテル」。4つのタワーから成る館内は多彩なレストランやショップのほかに水族館や映画館、ライブホールなどのエンターテイメント施設を擁し、ホテルというよりひとつの街のような印象。その中にあってブッフェレストランの「LUXE DINING HAPUNA」(以下、ハプナ)は、1994年のオープンから累計約2000万人以上のお客さまを迎えてきたという“品プリの顔”というべき人気施設のひとつです。

レストランの入口で検温と手指の消毒を済ませると、アロハシャツを着たスタッフの方に案内されながら店内のテーブルへ。オープン直後のホールには、これから訪れるお客さまを待つスタッフの忙しない姿がそこかしこにあり、にぎやかな活気に満ちています。入り口近くのガラスケースにはカラフルなスイーツが宝石のように綺麗に並び、早くもワクワク感が止まらない。その瞬間だけで「ホテルブッフェはやっぱり楽しい」というあの実感がひさしぶりによみがえってきました。

しかし、このハプナも他の飲食店と同じように感染症拡大の影響を受け、昨年の3月から7月にかけて約3ヵ月半の休業を余儀なくされました。「ハプナが休むこと自体が珍しいことですし、あれだけ長い休業に入るのは初めての経験でした」と語るのは、ハプナをはじめ品川プリンスホテルのレストラン全体を統括する料飲支配人の市川潔さん。既に予約をいただいていたお客さまには一件一件お断りの連絡を入れ、スタッフの方々も別のレストランに回るなど大きな影響を受けることになりました。「全国のプリンスホテルの中でもハプナはブッフェレストランの牽引役ですし、お客さまにサービスを届けたくても届けられないということで、スタッフの中にもいろいろなもどかしさがあったと思います」と言い、長期間の休業がどれだけ大きな出来事だったかを伺わせます。

プリンスホテルでは昨年春から取り組んできた感染症対策を「Prince Safety Commitment(プリンス セーフティー コミットメント)」という衛生・消毒基準にまとめ、早い段階から全館を上げた徹底した取り組みを行ってきました。ハプナもその基準を準拠して昨年7月15日に営業を再開。ソーシャルディスタンスを確保するために座席数は以前から4割減らし、再開当初は従来のブッフェではなく、スタッフがワゴンで料理を運んで提供する形にサービスを変更してのリスタートとなりました。

「感染予防を考えると、従来のように多くの人が同じトングを使い回せないというのが一番の課題になりました。やはりいろんな料理を自分の目で見て、好きな時に好きなだけ食べられるというのがブッフェレストランの醍醐味ですからね。お客さまの安全・安心をまず第一に考えながら、できるだけ以前と同じ満足感を感じていただきたい。その2つを両立させることが再開に向けて大きなテーマになりました」と市川さん。

「作り立て」が楽しめる、新しいハプナの形

営業再開の当日は再びお客さまを迎えられる喜びだけではなく、「それまでのブッフェとは180度近く様変わりしたので、例えばリピーターでいらっしゃるお客さまが新しい形を受け入れてくださるだろうかと不安でいっぱいでした」と心配の気持ちも大きかったそう。その中で、お客様から「以前とは変わったけど、同じように満足できました」といった好意的な声が数多く届き、安心感を得ることができたといいます。

営業再開後も世間の行動変容に合わせながら試行錯誤を重ねてサービスの形を変更。現在はワゴンサービスによる提供ではなく、ライブキッチンのブッフェボードで調理人が作りたての料理を提供するスタイルで営業し、より以前までのサービスに近い形が戻ってきました。

店内では感染症対策におけるさまざまな工夫を感じることができます。入館時の検温と消毒はもちろんのこと、テーブルごとにアクリルボードと消毒スプレーを用意。さらに料理を受け取るブッフェボードには飛沫対策のスニーズガードが設けられ、アミューズなどの小皿料理もひとつひとつにラップをかぶせるなど細心の心がけが行われていました。また、スタッフの方々も出勤ごとに検温や手洗い、うがい、体調チェックシートの記入などを徹底しているそうで、万全の状態でお客さまをお迎えする体勢を整えています。

ランチメニューではスイーツも合わせて40種類以上の料理が楽しめます。オニオンソースでいただくサーロインのローストビーフ、ミニチュアのようにかわいらしいハプナバーガー、海の幸丼やカレー丼など4種が選べるご飯もの、蒸籠で蒸した熱々な点心、串揚げの盛り合わせやわさびエスプーマでいただく日本蕎麦、フレッシュフルーツのカクテル&ゼリーなど洗練されたラインナップ。さらにディナータイムではハプナの名物である茹で蟹も楽しめます♪

さらに、この日はイタリアフェアを開催中で、日替わりのスパゲッティ、トマトソースピザ、ハプナ風ポトフ、搾りたてのマロンティラミスモンブランなど、洋食メニューがさらに充実していました。

今後もお客さまが求めるかたちを模索

好きな料理を見て選ぶ体験は確かに少し変わりましたが、好きなものを好きなだけ味わうブッフェの楽しみはそのまま。それでいて、目の前で調理してくれた作りたての料理が味わえるのは、従来以上に嬉しいサービスといえるでしょう。

「お客さまに調理の様子を見ていただいたり、またはお客さまの顔を見ながらサービスする機会が増えたので、以前に比べて調理スタッフの接客への意識が上がりました」と話す市川さん。そうした変化はお客さまからの声にも良い形で反映されて、スタッフの励みにもなっているそう。

洋食、中華、和食とそれぞれ好きな料理を持ち寄る家族連れの姿、数ある料理を真剣な表情で吟味するご婦人の顔、そして切り立てのローストビーフを待つ人たちのキラキラとした視線…。こうしたご時世であっても、やはりブッフェレストランには人々の楽しい時間や嬉しい時間があふれていると感じます。私も好きなだけ食べて、海の幸丼だけで3周目。余計なことを何も考えずに満腹になれるって夢見心地で本当に幸せ。

「いつかは従来のハプナの形に戻るのが理想だと考えています。ただ、こうした状況の中でいろいろ試すことができたので、新しいやり方も取り入れながらお客さまが求めるかたちを考えていきたいです」と今後について語ってくれた市川さん。

品川プリンスホテル・料飲支配人の市川潔さん

前例のない状況の中、スタッフの方々の試行錯誤とがんばりの中で新しい形での営業を続ける「LUXE DINING HAPUNA」。まだまだ遠くへ旅行に出かけるのが難しい情勢の中で、好きなものを思い切り食べられるホテルブッフェは最高に楽しくて幸せな思い出になるはず。ぜひ元気をチャージしにでかけてみてはいかがでしょうか。
品川プリンスホテル「LUXE DINING HAPUNA」

所在地
東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル メインタワー1階

電話番号
03-5421-1114(レストラン総合予約)

営業時間
朝食 6:00〜10:00
ランチ 11:30〜14:30(土曜・休日は11:30〜15:00)※月・火曜は定休日
ディナー 17:00〜20:00(土曜・休日のみ)

料金
朝食 おとな¥2,800/こども(4才~小学生)¥1,600
ランチ 【平日】おとな¥5,000/こども(小学生)¥3,200/幼児(3才~未就学)¥2,200
    【土・休日】おとな¥5,500/こども(小学生)¥3,500/幼児(3才~未就学)¥2,500
※土・休日のランチタイムは90分制
ディナー【平日】おとな¥7,000/こども(小学生)¥4,000/幼児(3才~未就学)¥2,200
【土・休日】おとな¥7,500/こども(小学生)¥4,200/幼児(3才~未就学)¥2,700
※ディナータイムは120分制

URL https://www.princehotels.co.jp/shinagawa/restaurant/contents/hapuna/

※営業時間は変更になる場合があります。

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