東京・港区のお花見スポット 都心ならではの桜と街のコントラストを楽しもう!
例年3月下旬から4月上旬ごろにピークを迎える東京・港区のお花見シーズン。短い命を駆け抜けるかのように咲き誇る薄紅色の花は、新しい四季の始まりを告げるだけでなく、その美しさで見る人を温かい気分に包んでくれます。今回は港区観光協会がイチオシする4か所のお花見スポットを紹介。歴史ファンも楽しいスポットやライトアップされた夜桜が楽しめるスポットなど、都心ならではの個性豊かな花見の名所をご案内します。ショッピングやお食事を兼ねて、出かけてみてはいかがでしょう。
青山霊園 桜のトンネルを歩き、偉人たちの墓地を訪ねる
南青山にある青山霊園は、明治7年(1874年)に開園した都立霊園です。かつて、この場所には、三河時代から徳川家を支え、江戸時代には美濃国郡上藩(現在の岐阜県・郡上八幡)を所領した青山家の下屋敷がありました。今の「青山」という地名も青山氏の名前に由来しています。
26ヘクタールという面積は、都内にある霊園の中でも最大の規模。多くのお墓が集まる場所でありながら、園内を縦横に走る歩道は都心の喧騒から少し離れた散策地として親しまれています。そして、園内にはソメイヨシノやヤマザクラなど600本を越える桜の木が植えられており、春は並木道を鮮やかな桜色に染め上げます。左右の桜がアーチを作り出すその光景は「桜のトンネル」と例えられるほど。
青山霊園のお花見は歩いて楽しむというのが基本ですが、散策に合わせて偉人たちのお墓を訪ねてみてはいかがでしょう。この霊園には、日本の歴史にその名を残す多くの偉人たちのお墓があります。例えば、芸能関係では歌舞伎界の大名跡である歴代の市川団十郎。小説家であれば『城の崎にて』などの作品がある白樺派の代表作家・志賀直哉や「短編小説の神様」と呼ばれた星新一。政治家では維新三傑の一人として明治新政府の礎を築いた大久保利通や、外相や内相などを歴任し、関東大震災後に現在の東京の基礎に繋がる大胆な復興計画を主導した後藤新平らが眠っています。
咲き誇る桜に春の風情を感じながら様々な領域で活躍した偉人たちのお墓を訪れ、日本の歴史に思いを馳せてみてください。
六本木ヒルズ 趣の異なる2つのお花見スポット
六本木ヒルズには「毛利庭園」と「六本木さくら坂」という2か所のお花見スポットがあります。毛利庭園にある13本の桜の木の中には六本木ヒルズの開発前からこの地に根を下ろすソメイヨシノもあり、街の歴史を見続けてきた大木は庭園のシンボルとして親しまれています。桜が池に映り込む光景はとってもフォトジェニック♪
毛利庭園の桜がひとつひとつの木をじっくり愛でる桜だとすれば、六本木さくら坂は70本以上のソメイヨシノが密集した、訪れる人を圧倒する桜です。約400メートルの並木道を歩きながら楽しむ桜は、まさに「さくら坂」の名に象徴されるような美しい景観です。
景色のいいカフェやレストランから満開の桜を楽しめるのも六本木ヒルズならでは。おいしいコーヒーやグルメを味わいながらの桜鑑賞は、都心ならではのお花見といえるでしょう。
また、例年、桜の開花時期に合わせてライトアップが行われており、昼と夜で違う顔を楽しめるのが六本木ヒルズのお花見。毛利庭園では、ともに光り輝く桜と東京タワーのコラボが見られます。この時期だけ咲く花と光の輝きが相まった景色は、まさに息を飲む美しさです。
お花見シーズンと重なる4月3日から5日の3日間は、六本木ヒルズアリーナで「六本木ヒルズ春まつり2020」が開催予定。毎年恒例のこのイベントには、麻布地区にある大使館が出店するグルメ屋台をはじめ、国際色豊かなグルメが集結。お茶会やステージパフォーマンスで大いに盛り上がります。
なお、森タワー52階の展望台「東京シティビュー」からも、青山霊園をはじめ周囲のお花見スポットを俯瞰する、天空からのお花見が楽しめます。
(各イベントについては新型コロナウイルスの影響により、中止・延期等の可能性があります。詳細は施設の公式ホームページ等をご確認ください。)
なお、森タワー52階の展望台「東京シティビュー」からも、青山霊園をはじめ周囲のお花見スポットを俯瞰する、天空からのお花見が楽しめます。
(各イベントについては新型コロナウイルスの影響により、中止・延期等の可能性があります。詳細は施設の公式ホームページ等をご確認ください。)
東京ミッドタウン周辺 広大なガーデンを散策しながら多彩な桜を満喫
ミッドタウン・ガーデンを中心にソメイヨシノなど100本の桜がある東京ミッドタウン。隣接する港区立檜町公園にも40本以上の桜があり、この時期は両方を併せて散策するのが定番です。
東京ミッドタウンのメインスポットは、ガーデンテラスに面した「さくら通り」です。約200メートルの並木道は同じ時期に咲く花々や周囲の緑とも協調して、春らしいカラフルな景観を見せてくれます。また、多彩な桜の花が見られることもこのエリアの特徴です。檜町公園も合わせると、ソメイヨシノのほか、オオヤマザクラ、ヤエベニシダレ、シダレザクラ、サトザクラなど8種類の桜が鑑賞できます。
また、さくら通り沿いのエリアでは、3月20日から4月19日まで「MIDTOWN BLOSSOM 2020」を開催予定。ザ・リッツ・カールトン東京によるグルメやプレミアムスパークリングワインが楽しめる屋外ラウンジが登場するほか、夜間は桜並木のライトアップを実施。桜の開花前はピンク色のライトで木々を照らし、開花後は白色のライトで花々の美しさを際立たせます。
そのほか、館内にも、今、華道界で最も注目されるユニットによる、春を感じられるフラワーアートが各所に展示されます。(状況により予告なく中止及び内容が一部変更になる可能性がございます。最新情報は東京ミッドタウンオフィシャルサイトよりご確認ください。)
ガーデンテラスのレストランには桜並木を見下ろせる席もあるので、お花見に合わせて食事やショッピングも楽しんでみてはいかがでしょう。
増上寺 桜×伝統建築×東京タワーが魅せるここにしかない絶景
徳川将軍家の菩提寺・増上寺も港区を代表するお花見の名所です。境内には200本以上のソメイヨシノやシダレザクラが植えられ、桜、伝統建築、そして背後に東京タワーを望む、ここにしかないコラボレーションが楽しめます。
境内裏手を中心に咲き誇るソメイヨシノの美しさもさることながら、その中でも三解脱門をくぐって左右に見える2本のシダレザクラは、思わず「見事」と声が漏れそうな絢爛さを誇っています。例年、シダレザクラはソメイヨシノより1週間ほど早く満開を迎えるので、細かく時期を確認しておでかけするのをおすすめします。
なお、お釈迦様の誕生をお祝いするため、毎年4月8日に行われる「潅仏会(かんぶつえ)」は別名「花まつり」としても親しまれています。
また、増上寺に隣接する芝公園も約60本の桜があるお花見スポットのひとつです。そして、公園入り口の花壇には、区政70周年を記念して2017年に港区が植樹したカンザクラが植えられています。まだ若い木ですが、周囲の菜の花と協調した清々しい景色が見られるので、ぜひ増上寺のお花見に併せて訪れてみて下さい。