【動画記事】國酒をもっと深く知ろう!「日本の酒情報館」で豊かな酒文化に触れる

“國酒”とは、日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんを指す日本の歴史文化を代表するお酒のこと。そんな“日本の酒”の魅力を国内外に発信する目的で創建されたのが、日本酒造組合中央会の運営する「日本の酒情報館」です。約26坪のスペースには、日本全国のお酒や各地の酒器がズラリ。酒造りを学べて、試飲もできる「日本の酒情報館」を訪ねました。

和モダンで洗練された空間に、日本酒や本格焼酎などが並ぶ

情報館は、東京メトロ銀座線・虎ノ門駅、千代田線・霞ケ関駅、都営三田線・内幸町駅から、いずれも徒歩3~4分ほど。日本酒造虎ノ門ビルの1階にあり、酒屋の看板にも使われる大きな杉の葉の球、いわゆる「さかばやし」 が目印。誰でも無料で入館することができます。

館内に入ると、まず驚くのは天井の木桶。お酒を製造するために使われる木桶ですが、これは本物ではなく、情報館のために作られたオブジェなのだとか。1981年に銀座で「日本酒センター」として創建された情報館が現在の場所に移ってきたのが2016年のこと。移転した際にインバウンドで訪れる海外からの観光客を意識し、和モダンなデザインにリニューアルしたそうです。今回は、移転したタイミングで館長に就任した今田周三館長に案内してもらいました。

入口付近の漆をイメージした壁に展示されていたのは、鏡開きでお馴染みの樽酒。お酒や酒器の並ぶ棚は、木枡を模したもの。洗練されたおしゃれな意匠にこだわりを感じます。

情報館に置かれている日本酒や本格焼酎は、日本酒造組合中央会に加盟している酒蔵のもので、その数は常時100種類ほど。今田館長いわく、組合に加盟している酒蔵は1,700ほどあり、一度にすべての酒蔵のお酒を置くことはできないので、定期的に入れ替えを行っているのだとか。1ヵ月で約7割のお酒が入れ替わるそうです。選定は大吟醸から純米酒に、スパークリング清酒まで、北は北海道から南は沖縄まで、できるだけ種類と地域を網羅するように気を配っているのだとか。どんなお酒と出会えるのかは、訪れてからのお楽しみ。まさに一期一会です!

日本酒以外に、本格焼酎や泡盛、本みりん、果実のリキュールなどもラインナップ。泡盛を長年寝かせて熟成された「古酒(くーす)」も置いてあります。

ここ最近は海外からの観光客も戻ってきており、1日の来館者のうち、3割以上が日本のお酒に興味を持った外国人観光客なのだとか。今田館長によれば2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、海外における和食の人気が上昇し、それに伴い日本のお酒の需要も急拡大。和食と合わせる日本のお酒は世界に広がっていきました。昔は日本酒を「Ricewine(ライスワイン)」と説明していましたが、今では海外でも「SAKE」で通じるようになったそうです。

麹や米など、お酒の作り方を学べるように原材料なども展示

情報館は「見て・触れて・体験する」をコンセプトにしており、お酒の原材料や米麹の実物見本、酒器などもディスプレイされています。益子焼や美濃焼、萩焼など、各地の酒器は見ているだけで楽しめるはず。

お酒に関連する書籍やパンフレットも豊富で、お酒のことを一から学ぶことができます。また、館内には大型のモニターが2台あり、お酒にまつわる映像コンテンツも常時放映中です。

情報館には、日本のお酒に関するあらゆる情報が集まるため、お酒に興味のある国内外の観光客はもちろん、「唎酒師」や「SAKE DIPLOMA」など、お酒に関連する資格を取得するため、勉強に訪れる人も多いのだとか。

館内のお酒はすべて試飲が可能! いつの間にかすっかりほろ酔い?

カウンターには、日本のお酒に通じたコンシェルジュが常駐。お酒の知識がなくても、好みを伝えれば、相談に乗ってもらえます。「すっきり」や「ちょっと甘め」「良い香り」など、お酒のタイプを伝えてもいいですし、「九州」や「東北」など、エリアを伝えても大丈夫。きっとお気に入りのお酒が見つかるはず!

情報館では置いてあるすべてのお酒の試飲が可能。1杯100円から500円ほどなので、試飲してみて自分の気に入ったお酒を購入することもできます。もちろん試飲できるのは、20歳以上の人だけ。まずは、バラエティ豊かな飲み比べセットで、それぞれの味と香りの違いを楽しんでみては? 例えば、「日本酒ベーシックセット」であれば、5種類の日本酒が700円(税込)で試飲できちゃいます。

日本のお酒の情報発信基地として、多くの人が訪れる「日本の酒情報館」。洗練された空間で、日本の美しい酒文化に浸るのも一興かもしれません。お酒好きはもちろん、あまりお酒に興味のない人も日本のお酒の良さを発見できるかも。ただし、飲み過ぎにはご注意を!
情報館では、酒蔵に関する情報や各地で開催されているイベント情報などを発信している他、蔵元による試飲イベントや、専門家によるセミナーなどのイベントも定期的に企画・開催しています。詳しい情報や休館日、問い合わせ先などは下記の公式ホームページをご確認ください。館内はフォトスポットが盛りだくさんで写真撮影もOK! 観光気分で気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

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