ヤマト運輸のセールスドライバーが教える港区の“お気に入り”スポットへ!

「クロネコヤマト」でお馴染みのヤマト運輸株式会社は全国に約2,800拠点の営業所があり、約6万人のセールスドライバー(以下「SD」)が宅急便を中心とした配送サービスに携わっています。個人・法人を問わず、様々な荷物を運ぶために街中を駆け巡るSDたちは、その街のエキスパートと言えるかもしれません。そこで今回は、東京都港区で各エリアの集配を担当するSDさんに、特にお気に入りの場所を紹介してもらいました。美しい並木通りから、居心地のいい公園に、東京のシンボルまで、プロが教える港区のスポットを周ってきました。

季節の変化を楽しめる白金のプラチナ通り

高級住宅街でありながら、昔ながらの商店も立ち並ぶ白金は、東京都庭園美術館や自然教育園など、緑豊かな施設も点在。自然と文化が調和した街並みが特徴です。そんな白金エリアを担当する港天王洲営業所のSD・服部晶哲さんがおすすめするのは、白金のプラチナ通りでした。

プラチナ通りは目黒通りと外苑西通りを結ぶ1km弱のイチョウ並木で、外苑西通りの一部でもあります。服部さんは「私は集配で毎回ここを通ります。夏は鮮やかな緑だったイチョウが秋には黄色に色づき、葉が落ちた冬の並木もそれはそれで趣があります。四季折々の変化が楽しいですし、集配車で走っていて非常に気持ちのいい通りですね」と、プラチナ通りの魅力を語ります。

プラチナ通り沿いには、おしゃれなカフェやレストランなどが立ち並び、大勢の観光客が訪れます。「コロナ禍を過ぎてから、特に土日は駐車スペースがなくなってしまうほど、多くの方が訪れるようになりました。地元の方がマメに清掃されているので、街はいつもきれいです」(服部さん)

白金エリアを担当して6年。顔見知りのお客さんも増えてきたそう。服部さんは「SDにも気を配ってくれるお客さまが多いですね。『これ持っていって』と飲み物をくれたり、高級住宅街でもどこか庶民的で、みなさんとても優しいです。SDという仕事はいろいろなお客さまとコミュニケーションが取れる仕事なので、自分に向いていると感じています」と、笑顔で話してくれました。

美味しいものが集まる赤坂の飲食店

港区の北西部に位置する赤坂は、高層ビルや飲食店の立ち並ぶ一大商業エリア。TBS本社や東京ミッドタウンなどを擁しており、昼夜を問わず多くの人で賑わっています。赤坂エリアを担当する赤坂3丁目営業所のグループ長・南谷涼太さんは、個人的にも赤坂の飲食店によく足を運ぶそうで、「基本的にお昼ご飯は赤坂のお店で食べています。他のエリアに比べても飲食店が多いので、飽きることはないですね」と話します。

特に足繁く通うのは「一鳥」という宮崎地鶏のお店。「お昼は“まかないカレー”というカレーライスと、チキン南蛮をよく食べています。とても美味しくて、1週間に1回くらいの頻度で訪れていると思います」(南谷さん)

赤坂エリアを担当して5年ほどになるという南谷さんは、街の変化を感じているそうで、「赤坂3丁目にはホテルが12軒あり、観光で来日された海外のお客さまのスーツケースなどを扱う機会が増えました。オフィスビルや個人の飲食店にも集配にお伺いするのですが、海外のお客さまのほうが多い印象です」と打ち明けます。また、飲食店以外のスポットを尋ねると、こんな答えが返ってきました。「赤坂には様々な観光スポットがあり、国内外から多くの方が訪れます。私たちが交通安全祈願でお参りをさせていただく赤坂氷川神社や246号線を挟んだ元赤坂の豊川稲荷などもおすすめなので、ぜひお参りに訪れてみてください」(南谷さん)

下町情緒あふれる麻布十番の老舗豆菓子店

洗練されたおしゃれなイメージがありながらも、下町の雰囲気が漂う麻布十番。江戸時代から続く麻布十番商店街は、麻布十番駅から六本木方面に伸びる商店街で、300軒以上の商店が軒を連ねます。13年間も麻布十番エリアを担当している港南営業所のSD・小松弘直さんが紹介してくれたのは、集荷・配送先のお客さまでもある豆菓子店の「豆源」本店でした。

創業が慶応元年(1865年)と歴史ある「豆源」の豆菓子は、小松さんの大好物だそうで、「豆源さんで揚げている塩おかきは絶品です。ちょうどいい塩加減で、食べ始めると止まりません(笑)。プライベートでもよく買いに来ています」と、個人的におすすめの豆菓子を教えてくれました。麻布十番商店街の中心に位置する本店では、揚げたてのおかきや、糖掛けしたての南京糖を販売しています。「豆源さんには仕事でも毎日のように出入りさせてもらっていますけど、いつも笑顔で迎えてくださって、感謝しています」(小松さん)

麻布十番商店街の人通りは、やはり土日がピーク。一方、平日は落ち着いており、特に多くの商店が休みになる火曜日は街も比較的静かなのだとか。

顔なじみも多く、大勢のお客さんと親しくさせてもらっているという小松さんは「新人の頃、目標に“元気で挨拶する”と書いたことを覚えています。今後も地域の皆様には、『ヤマトさん』ではなく、『小松さん』と呼んでいただけるように初心を忘れることなく、元気に挨拶して、しっかりとコミュニケーションを取っていきたいと思います」と、意気込みを語ってくれました。

実は穴場だった港南の品川セントラルガーデン

JR品川駅や高輪ゲートウェイ駅の東側に位置し、運河が流れる水辺の街でもある港南。高層ビルやタワーマンションなどが林立するこのエリアを担当するのは、港南営業所の港南2丁目営業所のグループ長を務める永井裕さんです。永井さんのお気に入りは、高層ビルの品川インターシティと品川グランドコモンズの間に広がる歩行者大空間・品川セントラルガーデン。永井さんは、ガーデンの入口で“クロネコ”のポーズを披露してくれました!

南北に広がる幅約45m、長さ約400mの品川セントラルガーデンは、ビジネスパーソンの憩いの場所。集配の途中に中を通ることも多いという永井さんは「夏は木陰があって涼しいですし、冬のクリスマス時期になるとイルミネーションが点灯して、とてもきれいです。オフィス街なので昼はランチをされている方もいますけど、いつもそれほど人が多くないので、実は穴場のスポットです。ターミナル駅でもある品川駅では、次の移動まで少しだけ時間が空いてしまう方も多くて、ときどき海外のお客さまにおすすめのスポットを聞かれたりもするんですが、品川セントラルガーデンをご案内するとすごく喜ばれますね」と、エピソードを披露してくれました。

品川セントラルガーデンのイルミネーションは2025年2月14日まで。10万個の電球が品川の夜を彩ります。港区内の営業所を13ヵ所ほど担当した後、港南エリアに異動して4年経つという永井さん。他のおすすめのスポットを聞いてみると「港南には中央卸売市場食肉市場があり、そこで開催される『東京食肉市場まつり』は、毎年とても盛り上がっています。特に今年は去年よりも来場者が増えているように感じました。ステージイベントやお肉の試食コーナー、キッチンカーや屋台も出ていて楽しいので、ぜひ行ってみてください」と教えてくれました。

大企業の高層ビルが連なる港南は、日本随一のオフィス街。永井さんは「ヤマト運輸の制服を着ているからこそ、いろいろなお客さまと出会えています。特に港南は様々な企業のお客さまが多いので、自分の勉強にもなりますし、仕事の幅を広げることにもつながっています」と語り、「まずは感謝を忘れず、グループ長として責任感を持ちながら、一人ひとりのお客さまと向き合いたいと思っています」と、仕事への思いを明かしました。

いつでも見上げる芝地区の東京タワー

もともと増上寺の境内だった敷地を明治6年(1873年)に公園として開放したのが芝公園のはじまり。この芝公園エリアは増上寺を囲む形で、芝公園やホテルなどが整備されており、中でも東京のシンボルでもある東京タワーは、絶対に外せない観光スポットの一つ。芝公園エリアを担当する港有明営業所のSD・小西大介さんがおすすめするのは、もちろん東京タワーです。

集配でエリアを周るとき、視界にはいつも東京タワーがあるという小西さん。見上げるとなんだかホッとするのだそう。「古き良きじゃないですけど、東京タワーは趣があって目にすると安心します。こういう場所で仕事ができるのは素直にうれしいですね。歴史の深い増上寺もありますし、昔ながらの文化が根付いているエリアだと思います」(小西さん)

観光スポットだけあり、観光客も増加傾向にあるという芝公園エリア。小西さんは「私の体感ですけど、去年の倍くらいに増えていると思います。やはりスーツケースと共に移動されているお客さまをよく見かけます」と話します。ちなみにヤマト運輸では、空港・駅・観光施設や一部の営業所で「手荷物のお預かり・手荷物の当日お届け」サービスを実施しているそうです。

ヤマト運輸「手荷物のお預かり・手荷物の当日お届け」https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/hands-freetravel/

芝公園エリアを担当して2年になるという小西さんは「例えばお客さまが困っていたら、すぐに相談してもらえるような、信頼される存在になりたいです。そのためにも、話しかけやすさを特に意識していきたいと思います」と、目標を語ります。

各エリアのSDさんが教えてくれたのは、実際に毎日のように通っている場所ばかりでした。親子猫のマークを身に着けたSDさんたちに思いを馳せながら、魅力あふれる“お気に入りスポット”を巡ってみてはいかがでしょうか。

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