お参りする方法もチェック! 港区のパワースポット神社・寺院の巡り方

神社やお寺は、日本人にとっても外国人にとっても、伝統と厳かな空気にふれられるパワースポット。せっかくなら正しいお参りの方法を知って、お参りしてみましょう。今回は港区にある、4つの神社や寺院の巡り方をご紹介します。

神社と寺院のお参りの方法の違い

神社と寺院は建物や祀られているものが違うため、お参りの方法も異なります。それぞれチェックしてみましょう。

●寺院
入口に「山門」があり、中に「塔」、そして仏像が安置された「金堂」があります。お参りするときは、山門の前で合掌して一礼し、右足から入ります。このとき敷居は踏まないように。お賽銭を奉納した後は、胸の前で両手を合わせて合掌し、柏手を打たないのが作法です。お寺で祀られている仏像は見ることができます。
今回の寺院:増上寺、豊川稲荷東京別院

●神社
入口に「鳥居」があり、参道の脇に「手水舎」が設置されています。奥に進むと神様が祀られている「本殿」があります。鳥居をくぐるときは、一礼してから神様の通り道である真ん中を避けて、鳥居の端をくぐるのがマナーです。参道を進むと手水舎があるので、手を清めます。本殿にお参りするときは、お賽銭を奉納した後に「二礼二拍手一礼」。つまり二回礼をして、手を二回叩いて最後に一回礼をします。寺院と違い、神社では外から見えないところに御神体が祀ってあります。
今回の神社:麻布氷川神社、愛宕神社

東京タワーを望む増上寺

芝にある増上寺は、600年の歴史を持つ徳川家康公ゆかりの浄土宗のお寺です。芝公園や東京タワーがすぐそばにあるので、どこからでも東京タワーをのぞみながらお参りができます。増上寺の黒本尊は、勝運を招き、災難避けする仏様として知られています。

お参りするときは、大門をくぐって山門である三解脱門を進み、金堂の大殿、安国殿の順番で巡りましょう。2023年8月まで本堂耐震工事の為、大殿がお参りできなくなりますので、期間中は安国殿へお参りします。

安国殿の内部。本堂中央の厨子に祀られているのが黒本尊

安国殿とは、戦災で消失した大殿の代わりに本堂とされていた建物で、昭和49年に境内北側に移転し、この名前がつきました。2011年には新しい現在の安国殿が建立されています。本堂中央に祀られているのが本尊である「黒本尊」です。御開帳は、正月と5月・9月の15日となっています。徳川家康公はそのご加護により戦の勝利を得たとされています。勝運や災難除けをお願いしてみてはいかがでしょうか。

浄土宗では念仏が大切にされていますので、ご本尊様の前で手を合わせ、十回の念仏(お十念)を称えてみてください。

境内で七福神巡りができる豊川稲荷東京別院

赤坂にある豊川稲荷東京別院は、たくさんの狐で知られる曹洞宗の寺院です。“稲荷”とついているので神社と思われがちですが、正式名は豐川閣妙嚴寺(とよかわかくみょうごんじ)といい、豐川吒枳尼眞天という仏様が祀られています。

豊川稲荷は、古くは今川義元、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など武将達から信仰され、江戸時代には庶民の間で商売繁盛、家内安全、福徳開運のご利益があるとして信仰を集めました。東京別院は、江戸時代に大岡越前守忠相公(おおおかえちぜんのかみただすけこう)が日常信仰されていた豊川稲荷のご分霊がお祀りされています。明治20年に赤坂一ツ木の大岡邸から現在地に移転遷座し、愛知県豊川閣の直轄の別院となりました。

融通稲荷

まずは本殿へ参ったあと、境内を巡ってみるのがおすすめです。本殿の左側にある「融通稲荷」は財産を融通してくれるとの言い伝えがあります。その奥にある「叶稲荷」は縁切りや災難除けの守護仏です。

大黒天

さらに境内だけで七福神巡りができるようになっています。順路に従って恵比須天、大黒天と巡ってみてください。そのほか、緑豊かな境内にはさまざまなスポットがありますので、好みにあわせてお参りしてみてはいかがでしょうか。

クスノキや松の御神木からパワーをもらえる麻布氷川神社

麻布十番にある麻布氷川神社は、御神木のクスノキや松で知られる1000年以上の歴史をもつ神社です。平安中期の天慶1(938)年に清和源氏の祖・源経基(みなもとのつねもと)によって創建されました。神輿庫の江戸の見事な匠技が多くみられる宮大神輿は、関東有数です。また、社会現象が起きたアニメ「美少女戦士セーラームーン」のモデル神社としても知られ、聖地として国内外から観光客も訪れます。

御神木の大楠木

大鳥居をくぐり本殿、稲荷社を拝んだのち、お参りの最後に御神木である大楠木の下でパワーチャージしてみてください。麻布十番から登る一本松坂の上にも、御神木の冠の松・一本松と石碑があるので、そちらもおすすめです。

そのほか、向き合っている魔除けの狛犬は江戸時代から神前を守護してきたシンボルです。平安と良いご縁を問うてみましょう。本殿の毘沙門天へのお参りするときは、静かに3回願い事を心に念じてみてください。ご利益があるはずです。境内は気持ちのよい空気が流れていますので、静かにゆっくりと深呼吸を3回してみましょう。
麻布氷川神社
東京都港区元麻布1-4-23
https://www.azabuhikawa.or.jp/

長い石段の先に深い緑をもつ愛宕神社

愛宕山の山頂にある愛宕神社は、長い石段と鬱蒼とした緑のなかにあることで知られています。慶長8(1603)年、江戸幕府を開府にあたって江戸の防火防災の神として徳川家康の命によって創建されました。主祭神は火産霊命(ほむすびのみこと)という火の神様で、家康が天下を取った時に奉持していた勝軍地蔵菩薩も併せて祀られています。

出世の石段と呼ばれる正面の石段

三代将軍家光の御前で四国丸亀藩藩士「曲垣平九郎」(まがきへいくろう)が騎馬にて、愛宕神社の正面石段を上下して「馬術の名人」と将軍より賞賛されたエピソードがあります。それ以降、「出世の石段」と呼ばれ講談や小説等にも登場したことから、あやかれるようにと参拝に訪れる人が後を絶ちません。

また、愛宕神社がある愛宕山は天然の山としては23区で一番の高さがあります。長い石段を登りきった先は、木々が生い茂り四季折々の表情が見られる都会のオアシスです。深呼吸をして心を静めて、お参りしてみましょう。
港区のパワースポットにもなる神社や寺院には立派な由緒がありました。お参りの方法も知っておくと、気持ちよくお参りできるもの。ぜひ、出かけてみて仏様や神様にお願いごとをしたり、誓いを立てたりしてみてください。

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