大阪の名店が集結!『お台場たこ焼きミュージアム』で味わう熱々グルメ

お台場は、ショッピングやエンターテイメントが楽しめる東京屈指の観光地の一つ。そんな人気スポットに、まるで大阪の一角をそのまま持ってきたような活気と熱気に満ちた場所がありました。ショッピングモール・デックス東京ビーチのシーサイドモール4階にある「お台場たこ焼きミュージアム」は、大阪の人気たこ焼き店が一堂に会した体験型フードテーマパーク。大阪の人も認める選りすぐりの5店舗が集結し、一度に各店のたこ焼きを味わうこともできちゃいます。友人同士でワイワイとシェアするもよし、家族で食べ比べを楽しむもよし。香ばしい香りと出汁の湯気が立ち込める、魅惑の“たこ焼きワンダーランド”をご紹介します。

お台場にある“粉もん”のエンターテインメント空間へ

「お台場たこ焼きミュージアム」は「台場一丁目商店街」に隣接

ゆりかもめのお台場海浜公園駅より徒歩2分。デックス東京ビーチのシーサイドモール4階に足を踏み入れると、食欲をそそる香ばしい香りが漂ってきました。「お台場たこ焼きミュージアム」は、フードコートスタイルになっており、好きなお店のメニューを好きな席でいただくことができます。

座席はフロア内で買い物をしたお客さんが利用可能

フロアには180席以上の座席があり、子ども連れの家族には、ゆったりと座れるファミリーベンチ席やソファ席がおすすめ。ベビーカーでの入店がしやすい広々とした通路や、近くに手洗い場が完備されているのもファミリーにはうれしいポイントです。一方で、デートで訪れるカップルには、二人で横に並んで座れるカウンター席や、プライベート感を味わえるラウンドボックス席などが人気です。

お水などもセルフサービス

「お台場たこ焼きミュージアム」はメイン入口から順番に5店舗のたこ焼き店が並んでいます。今回は、メイン入口に近い店舗から時計回りに案内していきます。

【天王寺アベノタコヤキやまちゃん】秘伝のスープが命!生地の旨味に絶対の自信あり

店名の「やまちゃん」は初代社長の苗字が「山田」だったことに由来

最初は大阪・阿倍野区で1988年(昭和63年)に創業した「天王寺アベノタコヤキやまちゃん」。本店は天王寺駅すぐの場所にあり、地元の人や観光客で常に行列が絶えない超人気店として知られています。

お店のキャッチコピーは「生地が旨い!焼きが巧い!」

秘伝のスープを粉と合わせ、特注の分厚い鉄板を使い、強火で焼き上げるのが「やまちゃん」のたこ焼きの特徴。鉄板で外側をカリッと焼き固めることで、生地の中に素材の甘みや旨味、香りを閉じ込めます。スープは鶏ガラをベースに、フルーツと10種類以上の野菜を加え、毎日4時間以上煮込んで作るのだとか。職人さんが「食べたときのコクがすごいんです」と教えてくれました。

皿からはみ出さんばかりのイカ天と青ネギ

数あるメニューの中でも、看板メニューの一つが「イカ天ネギマヨ(6コ入1080円)」。まずは、そのビジュアルに驚かされます。たこ焼きが見えなくなるほど山盛りの青ネギと、散りばめられたたっぷりのイカ天が、圧倒的なボリューム感を演出していました。

イカ天と青ネギとたこ焼きを一緒に食べるのがおすすめ

大阪の本店で提供している焼きそばにイカ天を使っていたことから、その組み合わせをたこ焼きにも応用したのが始まりだそう。イカ天のサクサクとした食感がたこ焼き表面のカリッとした食感とマッチ。一口ほおばると、たこ焼きの中からはトロリとした生地があふれ出し、そこに、シャキシャキとした新鮮なネギの清涼感と、マヨネーズのまろやかさが加わります。ガッツリと食べ応えがありながらも、後味は意外なほど軽やか。これなら何個でも食べられそうです。

【芋蛸】和食の料理人が辿り着いた境地!新食感の和風たこ焼きに舌鼓

大阪の店舗は2011年に閉店したが、翌年にお台場で復活

続いては、かつて大阪の黒門市場で営業していたこともある「芋蛸(いもたこ)」です。こちらの店主は、和食歴30年というベテランの和食料理人。長年培った日本料理の技と知識をたこ焼きに応用し、「和食感覚のたこ焼き」という新しいジャンルを切り拓きました。

たこ焼きに合うように粘りの少ない青森県産の山芋を使用

看板メニューの「芋たこ焼き(6コ入750円)は、その名が示す通り、タコの他に山芋を使用。山芋は、角切りにしてサッと湯がいた後、出汁に一晩漬け込んで下味をつけるという手の込みよう。日本料理には昔からタコと山芋を合わせた料理があるそうで、その組み合わせをたこ焼きに取り入れたのだとか。まさに和食のプロならではの発想です。

生地の美味しさを楽しめる「定番たこ焼き(8コ入850円)」も人気

生地を作る出汁にも工夫が凝らしてあります。3種類の粉をブレンドし、粉を溶くスープには鶏ガラとカツオ節、ネギや生姜などを加えてじっくりと煮出した特製出汁を使用。タコは焼いた際に最高の出汁が出るように、大粒で肉厚なものを選んでいます

タコと山芋の組み合わせが絶妙

「芋たこ焼き」は見た目はスタンダードなきつね色のたこ焼きですが、一口食べると、“外カリッ、中トロッ”に加えて、普通のたこ焼きにはない“サクッ”という食感が楽しめます。タコはもちろん、出汁がしっかりと染み込んだ山芋が生地の中で存在感を発揮。タコのプリプリとした弾力と旨味と共に、良いアクセントになっていました。和食の繊細さと、たこ焼きの親しみやすさが融合した「芋蛸」だけでしか味わえない逸品です。

【道頓堀 赤鬼】上品で澄んだ天然出汁と生ダコが織りなす極上のハーモニー

赤鬼オリジナルの創作たこ焼きも多数用意

3軒目は、テレビや雑誌などでも度々取り上げられる人気店の「道頓堀 赤鬼」。店頭のキュートな赤鬼のキャラクターがお出迎えしてくれました。「粉もん文化を世界へ」をコンセプトに、バラエティ豊かなたこ焼きを提供しています。

「どばっと!ネギ(8コ入900円)」などのネギ系たこ焼きは京都九条ネギを使用

「赤鬼」の最大の特徴は使用する“タコ”にあります。基本的に、たこ焼きはボイルされた茹でダコを使用することが多いのですが、「赤鬼」では生ダコを使用。毎朝市場から仕入れた新鮮な生ダコをお店でカットし、生のまま生地に入れて焼き上げます。

生地とマッチするようにタコの大きさにもこだわっている

生ダコから焼き上げることで、生地の中でタコが湯がかれる状態になり、タコ本来の持っている濃厚な旨味エキスが余すことなく生地全体に行き渡ります。そのため、焼き上がったたこ焼きはタコの風味が強く、味・香り・食感が格別な仕上がりとなるのだそうです。

三つ葉とゆずの爽やかな香りも食欲をそそる

そんな生ダコを使用したお店の看板メニューが「ちゃぷちゃぷ(8コ入900円)」。3年連続でミシュランガイドに掲載されたこのメニューは、お椀に入った出汁に浸ったたこ焼きを食べる、いわば「明石焼き」の進化系とも言えるスタイル。「生のタコから出る強烈な旨味に負けない料理を」というコンセプトから生まれたメニューで、出汁はかつお節専門店に特注した厳選素材を使用。香り高く透き通った味わいに仕上がっています。出汁を吸ってふやけた生地がトロリと溶け出し、中から生ダコ由来の濃厚な旨味がじゅわり。ミシュラン掲載も納得の美味しさでした。

【たこ焼き 発祥の店 大阪玉出 会津屋】伝説はここから始まった!原点の味を体験

創業は1933年(昭和8年)という老舗

4軒目の「たこ焼き 発祥の店 大阪玉出 会津屋」は、まさにたこ焼きの“聖地”とも言えるお店。現在の「たこ焼き」が生まれるきっかけとなったのは「ラヂオ焼き」という料理でした。当時、流行の最先端だったラジオにあやかって名付けられたこの料理は、タコではなく、牛すじ肉とこんにゃくを具材に入れた醤油味の粉ものでした。1935年(昭和10年)、大阪市生野区の今里で「ラヂオ焼き」の屋台を営んでいた初代店主は、「明石ではタコを入れている」という客の一言をヒントに、具材をタコに変えた「たこ焼き」を生み出したそうです。

手軽にポイッと口に放り込めるように小ぶりな一口サイズ

「会津屋」のたこ焼きは、10分かけて焼き上げることで、生地の“サクッ”と“トロ~リ”の絶妙なバランスを実現。具はタコと天かすのみと至ってシンプル。創業者から受け継がれた技とチョイスされた具で、絶品のたこ焼きを焼き上げます。

「元祖ラヂオ焼き」(左)と「元祖たこ焼き」(右)

たこ焼きの歴史を丸ごと味わえる「会津屋・2種盛(12コ入950円)」は人気メニューの一つ。「元祖ラヂオ焼き」と「元祖たこ焼き」がそれぞれ6個ずつ入ったセットです。どちらもソースやマヨネーズ、青のりといったトッピングはありません。これは生地にしっかりと味がついているから。シンプルで旨味のあるジューシーなラヂオ焼きとたこ焼きをそのまま食べるという、創業以来のスタイルです。

熱々なのはもちろん、冷めても美味しいのが特徴

左の「元祖ラヂオ焼き」は、牛すじ肉の甘辛い煮込みとこんにゃくのプリッとした食感が特徴的。たこ焼きの前身でありながら、どこかモダンで、お酒のアテにもぴったりな濃厚な味わい。右の「元祖たこ焼き」は、タコと天かすのみという究極のシンプルさゆえに、生地の旨味がダイレクトに伝わってきます。どちらも、和風出汁と醤油の香ばしい風味が口いっぱいに広がりました。この“素焼き”の美味しさはクセになりそうです。

【たこ家 道頓堀くくる】ド派手なパフォーマンスと「大たこ」の圧倒的満足感

道頓堀の本店は巨大なタコの看板でおなじみ

最後に訪れたのは、大阪の道頓堀に本店を構える人気店「たこ家 道頓堀くくる」です。創業40周年を迎える同店は、タコ料理の専門店として、たこ焼きだけでなく明石焼きや創作料理など、タコの魅力を知り尽くしたメニュー展開を行っています。

パフォーマンスにも力を入れている

「くくる」の魅力は、味もさることながら、そのエンターテインメント性にあります。店頭では、長い目打ち(ピック)を巧みに操り、リズミカルにたこ焼きを返していく職人さんの姿を見ることができます。

香り付けのために、白ワインを振りかける

焼き上がりの仕上げには、白ワインをフランベのように振りかける演出も。豪快に立ち上る湯気と共に広がるワインの香りは、見ているだけで食欲を刺激し、並んでいる時間さえも楽しいショータイムに変えてしまいます。

鰹節は鹿児島県枕崎の最上級のものを使用

「くくる」の看板メニューである「大たこ入りたこ焼き(8コ入960円)」は、その名に恥じない、新鮮で大ぶりなタコがゴロリと入っており、タコの確かな存在感を感じることができます。こだわりの生地は“ふわとろ”の極み。外側はふんわりと、中はクリームのようにトロトロ。そこへ、シャキシャキと歯ごたえの良いネギ、ピリッとした紅生姜のアクセント、甘みのある天かすが加わり、フルーティーな特製ソースと特製マヨネーズ、青のりと鰹節がトッピングされ、複雑かつ一体感のある味わいを生み出します。

たこ焼きだけじゃない!スイーツやお土産や神社も楽しめる

スイーツメニューやたこ焼きグッズなどが充実

たこ焼きでお腹が満たされた後は、ヨーグルトジェラート専門店「ヨゴリーノ」のスイーツメニューがおすすめです。イタリア生まれのジェラートは、一般的なアイスクリームに比べてカロリーが約2分の1、脂肪分は約5分の1というヘルシーさが魅力。濃厚で甘いのに罪悪感なく食べられます。また、お土産探しには「まるごと大阪!いちびり庵」へ。このお店では、たこ焼きをモチーフにしたユニークな雑貨や、定番の大阪土産がずらり。たこ焼き用のソースやたこ焼き器なども揃っており、自宅でもたこ焼きを楽しめちゃいます。

「えびす大神」を祭っている「たこ焼き戎神社」

フロアの一角には「たこ焼き戎神社(神社散歩多幸八喜恵美寿)」が鎮座。商売繁盛の神様「えべっさん」として有名な大阪・今宮戎神社から、正式に分祀された由緒正しい神社で、丸いたこ焼きにあやかり、「家庭円満」や「良縁成就」のご利益もあるとか。お参りすれば、美味しい思い出と共に、“福”も持ち帰れるかもしれません。

おみくじは「福おみくじ」と「恋みくじ」の2種類

「たこ焼き戎神社」の「開運おみくじ(授与料100円)」で運勢を占ってみるのもいいかもしれません。おみくじは自分では気がつかないアドバイスを与えてくれます。一つ引いたら、無事に願いが叶いますようにと、「おみくじ掛け」に結びましょう。

レトロな提灯も雰囲気づくりに一役買っている

5つの店舗にはそれぞれ異なる個性と歴史があり、一つのたこ焼きの中に職人さんたちの情熱や大阪の食文化の奥深さが凝縮されていました。おやつとして気軽に頬張るもよし、全店制覇を目指して食事として楽しむもよしですが、特に大人の皆さんにおすすめしたいのが「タコ呑み」です。各店舗ではビールやハイボールなどのアルコールメニューも充実しており、たこ焼きをつまみに一杯楽しむことも可能。お台場の夜景をバックに、たこ焼きとビールで乾杯するのもいいかもしれません。仕事帰りにふらっと立ち寄るのも、観光の締めくくりに利用するのもおすすめです。小腹が減ったら、大阪への小旅行気分を味わえる「お台場たこ焼きミュージアム」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
《お台場たこ焼きミュージアム》
所在地:東京都港区台場1-6-1 デックス東京ビーチ シーサイドモール4F
営業時間:平日11:00~20:00(19:30LO)、土日祝11:00~21:00(20:30LO)
定休日:デックス東京ビーチに準ずる。
※その他、詳しくは下記の公式サイトをご確認ください。
https://www.odaiba-decks.com/takoyaki/

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