クラフトドリンクが息づく港区――手仕事が生む“個性の一杯”を巡る
「クラフトドリンク」とは、厳選された原材料を用いながら、こだわりの製法で造られた職人の手掛ける飲み物のこと。ここ数年は、小規模の事業者だけではなく、大手メーカーが参入するなど、社会的なブームを巻き起こしています。大量生産品にはない複雑な香り、土地の個性を反映した味わい、何よりグラスの向こう側に透けて見える“職人の想い”こそが最大の魅力と言えるでしょう。港区はそんなクラフトドリンクの最先端エリアであり、驚くほど多様な“手仕事のドリンク”が息づいています。今回は、港区で味わえるクラフトドリンクを紹介しながら、クラフトカルチャーの神髄を紐解いていきます
「Ottotto BREWERY 浜松町店」のクラフトビール
常時オリジナルクラフトビールを醸造
JR浜松町駅や都営大江戸線大門駅から徒歩1~2分。都会の喧騒の中にありながら、一歩足を踏み入れると別世界が広がる場所があります。自家製クラフトビールが楽しめる「Ottotto BREWERY(オットット ブルワリー)浜松町店」の最大の特徴は、ビールの醸造所が併設されていること。店内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、ガラス越しに整然と並ぶ銀色の大きなタンク。入り口からは想像もつかないような広々とした地下空間に、突如として「ビールの工場」が現れるその光景は、訪れる人を驚かせます。
オープンキッチンが併設されたホール
陽気な響きの「Ottotto(オットット)」という屋号には、丹精込めたオリジナルのクラフトビールを通じて、訪れた人に陽気で楽しい時間を共有してもらいたいという想いが込められているのだとか。「ファクトリー感」をコンセプトにした店内は、まるで海外のブリューパブのような雰囲気です。
大型モニターでスポーツ観戦も楽しめるパーティールーム
広さは都内最大級。パーティールームも完備しており、こだわりのオリジナルビールをみんなで楽しく味わうことができます。
ビールを自家醸造するための醸造設備
同店のこだわりは、小規模醸造だからこそできる丁寧なビール造りにあります。原料の鮮度はもちろんのこと、ビールの命とも言える水質にも妥協せず、それぞれのビールの個性を最大限に引き出す発酵管理を徹底しています。
タップ(注ぎ口)からビールが注がれていく
同店には、常時5種類以上のオリジナルビールが用意されていますが、開栓の時期や熟成の進み具合によって日々味わいが微妙に変化するのもクラフトビールならではの醍醐味。まさに、その瞬間にしか出会えない、一期一会の一杯を楽しむことができます。
左から「Pale Ale」、黒ビールの「Stout(スタウト)」、旬のフルーツを使用し、期間限定で醸造・特別販売される「Seasonal Beer(シーズナル ビール)」
数あるラインナップの中でも、まず味わってほしいのが「Pale Ale(ペールエール)」。柑橘系の爽やかな香りと、深いコク、そして旨味が絶妙なバランスで共鳴しており、クラフトビールに馴染みがない人でもスッと喉を通る飲みやすさを追求しています。
ビールはシェア用のガロンボトルでも提供
苦味の少ないヴァイツェンや、季節のフルーツを使った限定ビールも人気で、普段はあまりビールを飲まない女性や、日本らしい素材を求める海外からの観光客からも高い支持を得ています。
ビールが進むピリッと辛いソースが特徴の「ルイジアナケイジャンコンボ」(手前)
「もっと気軽に、もっと自由にクラフトビールを楽しんでほしい」という同店のブルワー(醸造家)の想いは、料理にも反映されており、名物の「ルイジアナケイジャン」をはじめとしたビールと相性抜群のメニューも充実。一人でふらりと立ち寄って楽しむもよし、仲間と一緒に陽気に乾杯するもよし。クラフトビールや絶品料理と共に、特別なひとときを過ごしましょう。
《Ottotto BREWERY 浜松町店》
東京都港区浜松町2-1-5クレトイシビルB1
営業時間:月~木ランチ11:30~14:30/ディナー17:00~23:00、金・祝前日ランチ11:30~14:30/ディナー17:00~23:30、土ディナー16:30~22:30
定休日:日曜・祝日
※その他、詳しくは下記の公式サイトへ
https://ottotto-hamamatsucho.owst.jp/
東京都港区浜松町2-1-5クレトイシビルB1
営業時間:月~木ランチ11:30~14:30/ディナー17:00~23:00、金・祝前日ランチ11:30~14:30/ディナー17:00~23:30、土ディナー16:30~22:30
定休日:日曜・祝日
※その他、詳しくは下記の公式サイトへ
https://ottotto-hamamatsucho.owst.jp/
「酒食堂 虎ノ門蒸留所」のクラフトジン
店内は気取らずに楽しめる居酒屋スタイル
再開発が進み、新しいエネルギーが満ち溢れる虎ノ門エリアに、蒸留酒のジンを楽しめる居酒屋があります。虎ノ門ヒルズのビジネスタワー内、「虎ノ門横丁」の一角にある「酒食堂 虎ノ門蒸留所」は、店内にジンの蒸留器を備えた、まさに“街の蒸留所”ともいうべきユニークな場所。2020年の開業以来、“トーキョーローカルスピリッツ”をコンセプトに、東京という土地の魅力をジンという形に変えて、発信し続けています。
誰もが目を引く巨大な蒸留器
同店で造られているジンの最大の特徴は、その素材の選び方にあります。ジンのベースとなるアルコールには、八丈島や新島といった東京・伊豆諸島で作られる本格的な島焼酎を使用。さらに、蒸留仕込みと仕上げに欠かせない割水には、奥多摩源流である青梅沢井の湧き水を採用しています。東京の島々で育まれた焼酎の力強さと、東京の山々が育んだ清らかな水。この両者が合わさることで、他にはない“東京産のスピリッツ”が形成されていきます。
島焼酎の味わいを生かした「COMMON」
おすすめのドリンクは、通年で製造されているレギュラー銘柄の「COMMON」。まずはシンプルにソーダ割りで、食中酒として味わってみましょう。ベースとなる島焼酎の柔らかな風味と、ジュニパーベリー(杜松果)の香りが絶妙に調和し、どんな料理とも引き立て合います。
「COMMON」をベースにしたレモンサワーやハイボールもおすすめ
東京のローカルな素材を用いた「COMMON」は、水割りやロックでもOK。寒い季節にはお湯割りにして、立ち上がる香りを贅沢に楽しむのも通な飲み方です。
みかんの花やカモミールを使用した「季節のジン」
四季折々の暮らしの中で出会う草木や花、果実など、最も香りが際立つ瞬間に収穫された素材を香り付けのボタニカルとして使用した「季節のジン」は、トニックウォーターで割ることで甘味と酸味が加わり、より華やかな個性が引き立ちます。もし、飲み方に迷ったら、知識豊富なスタッフに相談してみてください。
ジンに合う料理がずらり
料理は、ジンに合うように考え抜かれた親しみやすい居酒屋メニューが豊富に揃っています。寒ブリの刺身や白子と豆腐のグラタンなどの冬メニューは、3月上旬まで展開しています。
飲み放題付きのコースメニューなども充実
店側が提案するフードメニューとジンとのペアリング体験は、これまでのジンの概念を心地よく覆してくれるはず。虎ノ門で働くビジネスパーソンや訪日外国人観光客、さらには遠方から訪れるジン好きまで、多様な人々がジンを中心に、思い思いの時間を過ごしています。
ピカピカの蒸留所を眺めながら至福の一杯を楽しめる
東京の素材を、東京の真ん中で蒸留している同店は、今やジンを愛する人々にとっての聖地となりつつあります。都会の洗練さと、ローカルの温もりが溶け合う一杯をぜひ体感してみてください。また、店頭ではボトルの購入も可能なので、旅の思い出や、大切な人への贈り物にするのもおすすめです。
《酒食堂 虎ノ門蒸留所》
東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ビジネスタワー 3F
営業時間:平日11:30~15:00(L.O.14:30)、17:00~23:00(L.O.22:00)、土12:00~22:30(L.O.21:30)、日・祝:12:00~21:30(L.O.21:00)
定休日:なし、虎ノ門ヒルズに準じる
※その他、詳しくは下記の公式サイトへ
https://toranomonjyouryou.owst.jp/
東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ビジネスタワー 3F
営業時間:平日11:30~15:00(L.O.14:30)、17:00~23:00(L.O.22:00)、土12:00~22:30(L.O.21:30)、日・祝:12:00~21:30(L.O.21:00)
定休日:なし、虎ノ門ヒルズに準じる
※その他、詳しくは下記の公式サイトへ
https://toranomonjyouryou.owst.jp/
「UMAMI COLA」のクラフトコーラ
クラフトコーラ界に新風を巻き起こした「UMAMI COLA」
日本の発酵文化をベースに生まれた「UMAMI COLA(ウマミコーラ)」は、国産素材やスパイスを使用しながら、人工甘味料・保存料・着色料に頼らず仕上げた健康系エナジードリンク。2025年6月には一部のコンビニエンスストアで先行テスト販売されるなど、大きな注目を集めています。
「UMAMI COLA」を製造する自社工場
港区南青山に本社を構え、自社工場まで新設したこのブランドは、2020年の創業以来、これまでのコーラのイメージを180度変えるような画期的なプロダクトを展開。コーラといえば、一般的には砂糖や添加物の多いイメージがありますが、「UMAMI COLA」が目指したのは、日本が誇る伝統文化を詰め込んだ、体にやさしい“ナチュラルクラフトコーラ”でした。
缶では初となる無添加の生クラフトコーラ
日本独自の概念である「UMAMI(うまみ)」という言葉には、単なる味覚だけでなく、 “体で感じる心地よさ”という意味もあると考え、同社では、その象徴として商品名にも「UMAMI COLA」と名付けました。
米麹と八海山水系の極軟水で作られた甘麹
創業者の「ただ美味しいだけでなく、飲むことで心も体も前向きになれる飲料を作りたい」という強い想いから生まれたこのドリンクのベースとなっているのは、日本酒の銘柄である「八海山」の麹甘酒(ノンアルコール)。そこにスパイスやハーブなどを加えて、コーラに仕上げていきます。「UMAMI COLA」を一口飲めば、甘酒由来の優しい甘さと、スパイスの爽快な刺激が重なり合い、体に染み渡るような深い味わいを感じることができるはず。
様々な効能のハーブやスパイスを配合
「飲む点滴」と言われる栄養素たっぷりの麹甘酒に加えるスパイスやハーブは、「不老不死の霊薬」として知られるトゥルシーをはじめ、「万能の薬箱」と言われるエルダーフラワーやハイビスカス、シークヮーサーなど、10種類以上。これらを最高のバランスで調合し、独自の味わいにしていきます。
素材を煮込む際の温度管理が重要
特にこだわっているのが、素材のパワーを最大限に引き出す製法。香りや見た目の華やかさ以上に、素材が持つ本来の働きを重視し、すべての工程を自社で設計・管理しているのだそう。麹甘酒やスパイスを煮込む際の温度管理を徹底することで、有効成分が最も安定して抽出されるよう工夫されており、単なる嗜好品を超え、飲んだ後の「回復感」まで計算されているというから驚きです。そんなこだわりが詰まった「UMAMI COLA」のイチオシの飲み方は、よく冷やしてそのままの味を堪能すること。冷やした「UMAMI COLA」は、食事中はもちろん、仕事でリフレッシュしたいときや、運動後の水分補給など、どんなシーンにもマッチします。また、アルコールとの相性も抜群で、ラムやウイスキーで割って自分好みのカクテルを作るのもおすすめです。グラスに注いで、ゆっくりとその複雑な香りを愉しむ時間は、きっと日常の慌ただしさを忘れさせてくれるでしょう。現在、「UMAMI COLA」は250ml缶やシロップの瓶(L、Mサイズ)などが販売中。提携している各地のショップやカフェ、オンラインサイトなどで購入できるので、ぜひチェックしてみてください。


























